Sims3を使用したオリジナル・ストーリーです。
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※フィクションです。
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※コメントをいただけるのは、とてもうれしいので、感想だけでも残したいという方は、コメントを書いていただければ参考にさせていただきます。
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<読み方>
『 』 ⇒ セリフ
〔 〕 ⇒ 思考
カッコなし ⇒ 説明等
≪ ≫ ⇒ ストーリーテラー、ナレーション
= = ⇒ 音声や環境、状況説明等
* ⇒ 補足
※ ⇒ 注意
Episode1から、ご覧頂けるととてもうれしいです。
『 「Re:Birth」 - Episode 1 』は、こちら
前回までのあらすじ
現代の都会に住む言葉をしゃべるネコが、自身の過去の話をする…。
それは数百年前の話、その黒ネコはトラビス・ガインという魔法使いで、ある日突然何者かに魔力を送りつけられる。
魔法使いにとって魔力は生命(いのち)でもあるのにも関わらず、その魔法使い一人分の半分以上を送りつけられ真相を確かめるために、オオカミ人間のジャンを連れて魔力の送り主の住むところへと向かう…
Re:Birth
トーリーテラー・ナレーション:≪それは、数百年前。まだ人間が、魔法使い・妖精・オオカミ人間などの超自然的存在を認識し、同じ世界で暮らしていた時の話…≫
トラビス: 俺とジャンは、冷たい雨が降りしきる中、俺にいきなり魔力を送りつけてきたやつの住み家の裏口のドアの前に立った。
トラビス:『入るぞ。』
トラビス: 俺はそいう言って、扉に手をかける前にジャンに目で合図を送った。
ジャン:『ああ。』
“続きを読む…”から、つづき(本編)を読むことができます。
トラビス: 俺は扉に手を掛けた、するとその扉の鍵は掛かっていなかった。魔法で鍵を開けようかと思っていたから案外あっさり入れて拍子抜けするくらいだ。 だが、むしろこの家に“どうぞ入ってくれ”というような気がして逆に不安を感じた。
俺たちは、低い音できしむ扉をゆっくりと開き、中を確認し入った。
中に入った瞬間、ジャンが少し顔をしかめたように見えた気がした。
ジャンは、すぐにオオカミに変身できるように臨戦態勢にしてあった。口には下の歯の犬歯が覗き、手先には長い鉤爪をはやしていた。
俺もすぐに魔法が使えるように準備した。
とは言っても何もすることないのだが。魔法の杖なんか使わない。 あれは、貧乏な下級魔法使いが金もうけの為に作ったオモチャだ。まあ、ただファッションとして杖を持つこともあるが、本物の魔法使いは、そんなものを使わなくても魔法は使える。
俺の足の裏に“勘違いヤロー(笑)”と落書きしたやつが、一時期あの魔法の杖のオモチャにハマってて、訳のわからない言葉を呪文みたいに並べて、そのオモチャの杖を俺に向かって振り回していたが、まったくいい迷惑だ。)
話はそれたが、俺は今そんなくだらないことを思い出してる暇じゃなかった。
家の中は外観と同様に豪華ではあったが、ジャンの言うとおり薄気味悪く、高そうな調度品たちは侵入している俺たちを静かに睨みつけているような気さえした。
二人の足音が高い天井や壁に反響して、二人以上の足音に聞こえてくる。
家主と俺たち以外に誰かがいることも警戒したが、今のところ誰かが襲いかかってくることはなかった。
少し先を行っていたジャンが、足を止めた。
ジャンの視線の先を辿ると、その先には薄暗い廊下の先に、開け放たれたドアの間から煌々と明りが漏れている部屋があった。
ここに来てようやく俺は、入口付近でジャンが顔をしかめた理由がわかった。
俺たち二人は、注意深くその部屋の中に足を踏み入れる…
ジャン:『っ…』
トラビス: 先に中に入っていたジャンが、息を詰まらせ、声にならない声を上げたのがわかった。
部屋に入る前に異臭を感じた時点で、おおよその予想はしていたが…
ここまでひどいとは思わなかった。。。
それは裸のまま横たわり、腐敗が進んでいたが、明らかに内臓が何者かに取り出されていたことがわかった。
血と腐敗の強烈なにおいで、めまいがする。
ジャン:『ひっ…ひでえ…』
ジャンが顔を引きつらせながら、そう呟いた。
トラビス: 〔確かに…〕と俺は、ジャンの呟きに心の中で答えた。
それと同時に、俺の中で疑問が込み上げてきた。
そう、この死体はラフィリア・メレディ。
ラフィリアは高位魔法使いだ。ただの魔法使いじゃない。
俺よりも遥かに長く生きている。
魔法使いは長く生きれば生きるほど経験や知識に伴い魔力も強まる。
それに彼女は戦争の時代を経験した魔女だ。
俺も高位魔法使いだが、はっきり言ってしまうと、まともに彼女と戦ったら、俺は全く太刀打ちできない。
あまり彼女のことは知らないが名前は有名だ。
なぜなら、彼女は王室専属の魔法使いであり、とても高貴な魔女だ。
そんな魔法使いが、こんな…
そう思いながら、俺は彼女とは面識はなかったが同じ高位魔法使いとして、敬意を表し、ささやかに彼女に祈りを捧げた。
トラビス(ナレーション):≪彼女は、ラヴェール王国専属の魔女だ。≫
トラビス(ナレーション):≪大きな島国を三国で支配していた。
もちろん他にも国はあったが、そこは大きな海を隔てた遠くにある。現代のように飛行機も、人々を大量輸送できる大きな船もなかった為、この三国以外の国がこの島国に侵攻してくることはなかった。)≫
Mapに使用したものCredit
I Want More Mountains brushes-by calthyechild
Medieval Decorative Shield-by cmomoney
トラビス(ナレーション):≪あっ、言うのを忘れていたが、俺も一応王室付きの魔法使いだ。 当然と言ったら当然だが。≫
トラビス(ナレーション):≪フェアリスランド王室の専属魔法使いさ。 とはいえ専属になって、まだ20年くらいしか経ってないが。≫
トラビス(ナレーション):≪ かつて、ラヴェール王国とベリッド王国が領土を争っていたが、幸いにもフェアリスランドは、他国に侵攻されることはほとんどなかった。
その理由は、ラヴェール王国とは友好的な関係であったし、地形も高い山々が隣国を遮るようにそびえ立ち、その山々のふもとには、オオカミ人間たちが住む森があり周辺を守っている。
まず、その高い山を軍を率いて登ることは困難だろう、山を越えたとしてもその先にはオオカミ人間たちが待ちかまえてる。
たいていの人間なら、フェアリスランドに侵攻することは、ほぼ無理だろう。
そして、人間以外の存在には、その当時、妖精が対処していた。
フェアリスランドその名前の通りだが、恵まれた自然環境のおかげでフェアリスランドには多くの妖精が住んでいる。
妖精は、木々や花々、きれいな水と空気を源として暮らしている。)
しかし、妖精が守っているといっても、あくまでもそれは自分たち住み家の為だ。人間の為ではない。
たまたま人間がそこに住んでいるだけで、妖精たちは人間の為に国を守っているのではない。
俺は、あまり妖精が好きではない。
あいつらは、常に上から目線だ。自分たちの種族以外のものを下に見ている。
シーリー・クイーンは特にそうだ。
かろうじて王様には敬意を表しているが、それは表面だけだろう。
中には、かわいい妖精の娘もいるが…
前に、一人…二人か?わすれたが。とりあえず三人くらいの妖精の娘と付き合ったことがあるが…
妖精は、ドSだ!!
また、話はそれたが(個人的な感情が高ぶった)、そんな妖精の気ままな性格を危惧してか、フェアリスランドの王様はお妃さまと結婚したのを機に、妖精たちに一括で任せていたスーパーナチュラルズの対策を魔法使いにもしてもらおうと探していた。
その当時俺は、(今でも俺は若いがあの頃はさらに)若かったから、いろんな国を旅してみたくて各地を転々としていた。
そして、気まぐれで流れ着いたのがフェアリスランドだった。
この国は、魔法使いがそんなにめずらしかったのか、生活費の為に適当に魔法を使って稼いでいた俺に白羽の矢が立った。
その当時まだ、俺は100歳にも満たない(80歳くらいだったか?)子供同然の魔法使いで、大抜擢とも言えた。
言っておくが、魔法使いにとって80歳くらいは、まだまだ全然とーってもすごーく若い!!
誰だ“おじいちゃん”って言ったのは###
見た目年齢は、今も当時も20歳のままだ。
魔法使いは自身が経験した年齢なら、自由に姿をその年齢に戻せる。
俺は、いくつになってもかっこいいが、とりあえずなんとなく20歳で止めてる。
でも、魔法をあまりにも使い過ぎると老けることはある…まあ、体力が回復すればまた自分の設定年齢に戻るが。
なぜだか知らないが、「君おもしろいね。」と王様に気に入られ、そんなかんじで今はフェアリスランドの専属高位魔法使いだ。
言っておくが、俺は道化師でも曲芸師でもないから、おもしろいことは何一つしていないのに…いまだにその“おもしろい”の意味が謎だ。)
俺がフェアリスランドの専属魔法使いに就任する数年くらい前にはもうすでに、ラヴェール王国とベリッド王国の領土争いは終結していた。
当然のように、ラヴェール王国が勝った。
ラヴェール王国の王様は、軍の最高指揮官としても優れていたが、政治をするのも優れていた。
英雄であり、国民からもとても人気があったらしい。
たが、彼は子供(世継ぎ)に恵まれることがなかった。
やっと生まれた子も亡くなってしまった。
俺と王様は、その葬儀に参列した。
変な言い方だが、その葬儀はとても豪華で、ラヴェール王国の王がその子供を溺愛していたのがうかがい知れた。
その時に、ラフィリアを一度だけ見かけたが、王室専属の魔法使いならば最前列にいるはずなのに、なぜか後ろの方で陰に隠れ静かに見つめていたのを不思議に思ったことを覚えている。
しばらくしてラヴェール王国の国王も亡くなった。(溺愛する息子を失い気狂いし亡くなったと聞いたことがある。)
その後、結局、皮肉にも往年のライバル国であったベリッド王国が、ラヴェール王国を統治することになった。
その当時、ラヴェールの国民のことを考え、ラヴェールという国は残しつつベリッドが統治する形をとっていたが、本当はラヴェールに残る正規軍を恐れていたからと考えられる。確かにラヴェールの軍隊は優秀だったと聞いている。
だが、直接戦争を経験したその正規軍も衰退し、ほとんどいなくなってしまった。
“いなくなってしまった”というのは、少し違うかもしれない。
かつて、栄華を誇っていたラヴェールの軍隊も、ベリッド王国の統治により資金を断たれ、戦争という職の場を失った兵士や騎士は、金を稼ぐ為に盗賊に走るものが出てきたからだ。
ラヴェールの有力貴族や金持ちたちは、だんだんと治安が悪化していく祖国を捨て、ベリッドに寝返るか、フェアリスランドに亡命してくるかになった。(フェアリスに亡命といっても金持ちは、どこへいっても居場所があるものだ。最近はフェアリスランドの上院に、元ラヴェール出身者が出てくるようになった。)
そして、上層部を失ったラヴェールは、ベリッドの属国になってしまった。
そこには、もうベリッド王国に反旗を翻す余力は残っていない。
最近では、不逞な輩がラヴェールに集まりだし、ほとんど無法地帯と化し、統治しているベリッドも手を焼いているらしい。
確かにラフィリアは、けっして良い魔法使いではなかったらしいが、そんな主を失った王国を最後まで守っていた魔女が、こんな形で死んでいるとは…。
そんなことを考えていると、ジャンが言った。
ジャン:『これは、尋常な事態じゃないだろ?やつは高位魔法使いなんだろ?そんな奴がこんな死に方… 悪いがもしこれ以上詮索するなら、応援を呼ぶ必要がある。』
〔トラビス: 確かに、ラフィリア程の高位魔法使いが、そう簡単にやられる訳がない。
いくらこの国が無法地帯と化して不逞な輩がラフィリアを襲おうとしても、返り討ちに会い簡単に排除されるだろう。
そうだ、これは普通の人間の仕業じゃない。
何か強力な力を持った者。。。
しかも、ただラフィリアを殺したのではない、遺体の状態から見ると彼女を何かに利用しようとしていた。
愉快犯という可能性もあるが、それにしては、こんな高位魔法使いを相手にするのは犯人にとってリスクが高過ぎる…
俺は、ふと思い出した。ラフィリアの“魔法の書” それは、ここにあるのか。。。
魔法使いは、“魔法の書”がある。それは、自分の習得したものの詳細や使用方法等が載っているチュートリアルみたいなもんだが、他の魔法使いには絶対に見せることはない。
もちろん魔法使いによって、その内容は異なる。
今のところ最強と言われるラフィリア程の魔法使いなら、かなり重要な資料だ。
言っておくが、俺はその“魔法の書”が欲しい訳じゃない。その魔法の書を手に入れて強力な魔法使いになろうとか世界征服しようとは思っていない。
俺には、そんな野心はない。
俺のモットーは、“いかに、楽に生きるか☆”だから。
そんなものを持ってたら、敵が増えるだけだ。
心配になったのは、そのラフィリアの“魔法の書”を、他の奴が持ち出したら…ということだ。
もちろん普通の人間が持っていっても、魔力がないから、その書にある魔法を使うことはできないが、同じ魔法使いだったら…ラフィリアの魔法を習得できる可能性がある。
可能性があると言ったのは、同じ魔法使いといっても雑魚魔法使いじゃダメだ。
ラフィリアと同じくらいの高いレベルで高位で高貴な魔法使いでないとムリだ!例えば、おれみたいな☆
俺以外にそんなやつは、ほとんどいないんだからそんな心配しなくてもいいんだが。
まあ、念の為、確認する必要はあるだろう。〕
トラビス:『悪いが、少しだけ時間をくれないか?確認したいことがある。すぐに済ます。応援を呼ぶ必要はない。』
ジャン:『少しだけだぞ!危険を感じたら、すぐに撤退する。高位魔法使いをいとも簡単にやれるやつから、お前を守れる自信はないぞ。』
〔トラビス:こういう時のジャンは的確だ。仲間を守ることに徹するオオカミ人間の種族は、状況と自身の力量を即座に測り、わざわざ危険に足を踏み入れるような無謀なことはしない。〕
トラビス:『わかってる。』
トラビス: そういうと俺は、本棚やそれらしいところを探した。やはり見当たらない。。。
ジャン:『トラビス早くしろ!!何を探してるか知らないが、もしそんな大事なものだったら、短時間で簡単に見つかるところに隠すはずがないぞ!』
トラビス: っう。。。痛いところを突かれた…俺の自尊心が…いや、うすうす思っていたが。
もしかしたらトイレで読んでてそのまま忘れてしまったり、鍋敷きにしたまま忘れたり、空いてるページにメモ書きしてその後ゴミだと思って捨てようとしたり(←全部いつも自分がやっていること)、天才というのは凡人には理解しがたい行動をするものだ、だからいろんな方向性を考えてもいいと思う訳だ俺は。。。
…俺は『ああ。そうだな。』と言って、帰ることにした。
外に出ると雨はやんでいた。
〔トラビス:結局、ここまで来てほとんど何もわからなかったな。
なぜ、俺に魔力を送り付けてきたかという理由も…。
分かったのは、俺に自分自身の魔力の半分以上を送り付けてきた魔法使いは、すでに死んでいた。
その魔法使いは、だれか強力な者に、無残に殺されたかもしれない。
何かに、利用されていた?もしくは、利用されそうだった?
ラフィリアの“魔法の書(グリモワール)”も、見つからなかった。
無駄足だったのか…〕
ジャン:『行くぞ。早く王様に報告しないと。』
俺は、ジャンのここから立ち去って行く足音を聞きながら、あの日のことを思い出した。。。
今でも、それを思い出すと胃が少し痛む。
本当に、あいつをここに連れてこなくてよかったと思った。
俺は、あの事件のことを思い出しながら、ラフィリアの住み家を後にした。
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トラビス:俺たちは強烈な血と腐敗の臭いと、さっきまで降っていた雨で、本来嗅覚が鋭いオオカミ人間でさえも、その機能を失っていた…
その時、気付くことができなかった…
そこに、ヤツがいたことに。。。
To be Continued…
Next Episode
『Re:Birth』 Episode 3
長くなって、ごめんなさい。
ほぼ、説明じょうたいです。
でも、これを説明しないとストーリー進まないんです。すみません。
あと、へたなMapで申し訳ありません。(使わせていただいた素材は悪くありません。)
とりあえず、大きな島国に、トラビスが仕えるフェアリスランド(左)と、ラヴェール王国(中央)、ベリッド王国(右)の3国があるということを理解していただきたかっただけです。
※名称は適当です。
※中世のような時代設定にしてありますが、雰囲気だけです。あまり中世のことはわかりません。実際の中世の風習とは、異なります。Fairy Tale感覚です。
あと、あたたかいをコメントを下さった方、とてもうれしいです。
どうもありがとうございます ^-^